海外で生活していると、滞在している国や母国はもちろん、
世界各国の国民性を体感します。
例えば、私の中国人の友人は100%「English name」を名乗っています。
中国語の発音は複雑というのが最大の理由。
名前はコミュニケーションを取る上でも重要で、
「発音のしやすさ」を最優先するのは理解できますよね。
その一方で、正しく表記する、ということも重要なポイント。
実際、私たち日本人の名前の英語表記が正式に変更になりました。
日本語表記では「姓」→「名」の順番ですが、
英語表記では「名」→「姓」でしたよね。
2020年からはパスポート表記でも日本語と英語の表記が統一されたんです!
ちなみに、「姓」→「名」表記の中国や韓国は、
もともと英語表記でも「姓」→「名」でした。
どうして日本だけ…
名前の英語表記については、意外に知らないことが多いようです。
そこで今回は、英語圏の名前表記に焦点をあててみましょう。
「ジャン=ポール・ゴルチエ」の「姓」はどの部分かわかりますか?
この答えは、後ほどご紹介します!
大切な情報だからこそ、名前の英語表記のルールについてしっかり理解しておきましょう!
■ 目次
名前表記における英語と日本語の違い
名前表記については、英語と日本語では大きな違いがあります。
皆さんご存知のとおり、
日本語名表記:「姓」→「名」
英語名表記:「名」→「姓」
この違いが原因で、「あれ?First nameってどっちだっけ??」
と一瞬考えてしまったりする人も多いでしょう。
日本語名表記をイメージすると、「First name」=「名字」になってしまいます。
ただ英語名表記のルールをベースに考えれば、簡単にどちらかわかりますよね。
「First name / Given name」: 個人名
「Last name / Family name / Surname」:名字
「Given name(与えられた名前)」が個人名というのは、イメージがつきやすいと思います。
海外旅行で飛行機に乗ると、渡航先によっては「入国カード」の記入が求められます。
名前を記入する際に、「あれ?この欄は?」となってしまう箇所がありませんか?
「Middle name」
この「Middle name」は、「中間の名」という文字通り、
名字と個人名の間にあるものです。
例えば、アメリカのトランプ大統領のフルネームは「ドナルド・ジョン・トランプ」。
「ジョン」が「Middle name」です。
このミドルネーム、欧米ではほとんど人がもっています。
その興味深い名付け方は後ほどご紹介します!
ちなみに日本では、法律上ミドルネームが認められていません。
二重国籍者などで他国で届け出のあるミドルネームをもつ場合は、
「個人名」の一部として扱われます。
2019年に日本政府が「2020年1月から国の公文書では姓→名の順にする」と公式に発表したことで、日本人名の英語表記でも「姓」→「名」の順が採用されるようになりました。
ただ、普段のコミュニケーションでは、英語圏の順で「名」→「姓」を使うことおすすめします。
文書は正しさ重視、口頭コミュニケーションではわかりやすさ重視!
「・」と「=」の使い方
最初の質問覚えていますか?
「ジャン=ポール・ゴルチエ」の「姓」の部分はどこでしょうか?
正解は、
「ゴルチエ」
ここで気になるのが「・」と「=」の使い方ですよね。
その使い分けはとってもシンプル。
「・」:「個人名」と「姓」の区切りにつける
「=」:ダブルネーム(複数ある個人名)をつなぐもの
「ダブルネーム(複数ある個人名)」は、この後のフランス人名の名付けのしきたりでもう少し詳しく触れたいと思います。
英語と日本語はそもそも表記方法が違います。
英語は、単語ごとにスペースで区切って表記しますが、
日本語は、句読点はあるものの単語ごとに区切ることはありませんよね。
このもともとの表記方法の違いから、外国人名の表記に次のようなルールができました。
「外国人名の姓と名の区切りは”・”で表記する」
だから、海外で外国人名の表記をみても「・」が使われていないんですね。
例えば、
日本語:ドナルド・トランプ
英語:Donald Trump
次に、たまに見かける気になる存在「=」のお話。
この「=」を含む名前はほぼフランス人といえます。
というのも、これはフランス人の名付けルールに深く関係しています。
フランスでは、キリスト教の聖人の名前を名付けるのが一般的で、
聖人の名前+個人名(その人のために名付けられた名前)を並べて「-(ハイフン)」でつないでいます。
先ほど例に出した「ジャン=ポール・ゴルチエ」は、英語表記にすると、
「Jean-Paul Gaultier」です。
日本語では、「-(ハイフン)」を「=」で表記しているということなんです。
ちなみに、フランス人の名前で非常に多い「ジャン」は、
キリスト教の聖人「ヨハネ」のこと。
日頃何気なく目にする表記に、いろいろな意味があるのは興味深いですね!
フランス人の名付け方法のように、世界にはさまざまな名前にまつわるエピソードがあります。
次は、そんな世界の名前にまつわる深いお話をしましょう。
世界の名前に関する深いお話
皆さんは、長すぎて本人も覚えていなかったといわれる名前をもつ有名人をご存知ですか?
世界的な絵画の巨匠、ピカソです。
ピカソの本名は、
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ」
聖人の名前は縁のある人の名前がふんだんに盛り込まれた結果だとか。。
「どれが個人名で、どれが姓?」となってしまいますよね。
はい、先ほどご紹介したルールの出番です。
「・」は「個人名」と「姓」の区切り、ということで、
ピカソの場合、「個人名」は一番最初の「パブロ」。
その後、ミドルネームがズラーっと続き…
一番最後の「ピカソ」が「姓」です。
そして、とっても興味深いのがこの「ミドルネーム」の名付け方!
絶対に付けなければならないというルールはないようですが、
次のような名付け方法で付けられているようです。
1. キリスト教の洗礼名
2. 母方の姓
3. 先祖の名前
4. 自分の旧姓(結婚する際)
5. 尊敬する人の名前
「尊敬する人の名前」??!
「ミドルネーム」に尊敬する人の名前を盛り込めるというのはオモシロい!
海外では、日本とは違い「改名」が比較的簡単にできる国も多く、
親の想いはもちろん本人の想いを反映できるのかもしれませんね。
私の友人にも、アーティストとして活動するにあたり戸籍上の本名も改名した、という人がいます。
他にも、特殊メイクでアカデミー賞を受賞したカズ・ヒロさんは、
アメリカ国籍を取得する際に、日本名の辻一弘(ツジカズヒロ)から改名しています。
海外で活動する中で、日本人というアイデンティティと向き合った結果だと
インタビューで話していらっしゃいます。
「名は体を表す」という表現がありますが、
私たちひとりひとりを表現する言葉だからこそ、
相手の名前はもちろん、自分の名前も大切にしたいですね。
まとめ
名前の表記ひとつをとっても、そこに言語の違いが関係しています。
「英語を学ぶ」というのは、文法や単語の意味を学ぶことだけを指していないんです。
その言語が話されている文化や思想を尊重して学ぶことが、
何よりも大切だといえます。
あなたの名前の漢字表記をまちがえられると、ちょっと嫌な気分になりませんか?
それと同じように、外国人の名前を表記する時は正確さを意識しましょう。
お互いの名前の由来を知ることで、コミュニケーションも一層深まりますよ。
ミドルネームでもご紹介したキリスト教の洗礼名(クリスチャンネーム)に興味がある方は、こちらの記事を是非読んでみてください!
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詳しくは、こちらの記事を参考にしてくださいね。
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