日本語に浸透している、いわゆる『カタカナ英語』って意識したことがありますか?
日本にいたときは、特に気にせず使用していた、ちょっとおかしい英語。
アメリカ在住5年目の私ですが、今でも時々これに悩まされるんです。
以前、仕事で、
『職場には何人の社員さんがいらっしゃいますか?』
という質問をしたとき。
私は
“How many staffs do you have in your office?”
と聞いてしまったんですね。
先方は、一瞬「???」となってしまいました。
ここで私が間違ったのは、“staff” の使い方です。
そこで今回は、この “staff” という言葉について、
英語と日本語でのイメージの違いを中心に解説します!
■ 目次
“staff” のイメージは?
日本語の「スタッフ」という言葉。
「一人の社員」の意味で使いますよね。
例えば、
「英語が話せるスタッフが5名います」
「私は、○○会社のスタッフです」
という感じで自然に使っています。
これは、いわゆる『カタカナ英語』のニュアンスなんです!
一方、本来の英語の “staff” は、【集合名詞】なのです!
【集合名詞】とは、複数の人の集まりを表す名詞です。
従って、“staff” という言葉から連想されるのは、
「一人の社員」ではなく、「複数の社員のグループ」なのです。
“staff” のイメージ (英語)
「スタッフ」のイメージ (日本語)
すでに「複数の社員」で構成されている “staff” という単語。
-sをつけて、”staffs”とすると…
「?」となってしまいます。
“staffs” とすることはできないんです!
めっちゃ、ややこしいですよね。
「スタッフ」という同じ言葉なのに、
日本人とアメリカ人で頭の中に浮かんでるイメージが違うわけです。
同様に、「一人の社員」を表したいとき。
“a staff” とも言いません。
しかし、集合名詞の “staff” は
「単数扱い」も「複数扱い」のどちらでも表現されるんです。
“staff” の正しい使い方
「単数扱い」、「複数扱い」どちらも可能な “staff” 。
その正しい使い方についてご紹介していきます。
“staff” (単数扱い)
「社員のグループ全体」を表現したい場合。
“staff” は、単数として扱われます。
例)
・Our IT staff has the best skill.
(私たちのITスタッフは、一番良いスキルを持っています)
・The accountant staff is having a brief meeting.
(経理スタッフは短いミーティングを行っています)
単数扱いの “staff” の場合。
上記の「ITスタッフ」「経理スタッフ」のように、
それぞれの部署の職員の「グループ」として表現されます。
イメージとしては、
集合名詞である “staff” 全員が、同じことをしている感じです。
「ITスタッフは全員best skillを持っている」
「経理スタッフ全員でミーティングに出ている」
という感じでしょうか。
スタッフ=グループ
と言える場合は、単数扱いできると考えていいでしょう。
“staff” (複数扱い)
では、複数扱いされるのは、どんな時でしょうか。
“staff” という「グループの各々のメンバー」が、それぞれ違うことをしている。
「メンバー一人一人」がイメージされる。
このような場合に、集合名詞 “staff” は、複数扱いとなります。
例)
・The IT staff are very professional and polite.
(ITスタッフはとても礼儀正しく、プロフェッショナルです)
・Our staff are working hard to solve the problem as soon as possible.
(私たちのスタッフはその問題を早急に解決すべく、一生懸命働いています)
・The HR staff are unique and have different backgrounds.
(人事部のスタッフは、ユニークで、違った経歴を持っています)
グループ内の「一人一人の」行動や性質がイメージできますよね。
「ITスタッフのメンバー一人一人が、それぞれprofessional でpoliteである」
「スタッフ内のメンバーが、それぞれ一生懸命働いている」
「HRのスタッフのメンバーが、それぞれユニークで違ったbackgroundを持っている」
という感じです。
スタッフ=メンバー一人一人
と言える場合は、複数扱いされるのです。
「スタッフの一人」と言いたい場合は?
もうお分かりですよね。
「スタッフの一人」と言いたい場合。
a member of a / the staff
もしくは
a staff member
と言います。
例)
・I am a staff member of ○○company.
(私は、○○会社の社員の一人です)
・A staff member of the marketing team is out.
(マーケティングチームのスタッフの一人は、今外出中です)
・Five members of our staff can speak English.
(私たちのスタッフのうち5人が、英語を話すことができます)
といった感じです。
日本語の「スタッフ」はこの言い方で表現しましょう!
“staff” のような集合名詞
“staff” のように、
全体的に「グループ」としてとらえる場合=単数扱い
グループ内の「それぞれのメンバー」としてとらえる場合=複数扱い
となる集合名詞は、ほかにもたくさんあります。
それぞれの単語と例文を見て、違いを覚えましょう。
class
・The class consists of 30 students.
(そのクラスは30人の生徒で構成されている)
・The class were enjoying taking the coding class.
(そのクラスは、コーディングの授業を楽しんで受けていた)
company
・This company implements clinical researches.
(この会社は臨床試験を行っている)
・Our company are dedicated to provide a professional care.
(わが社はプロフェッショナルなケアを提供することを心がけております)
team
・This team is the best in the city.
(このチームは市内で一番だ)
・The team are struggling to solve the problem.
(そのチームは、問題解決のために苦戦している)
generation
・My generation is the most peaceful generation.
(私の世代は、最も平和な世代だ)
・My generation hate fighting with people and respect individuals.
(私の世代は、紛争が嫌いで、個人を尊重する)
government
・The Japanese government gives two masks per household.
(日本政府は一世帯当たり2枚のマスクを給付する)
・I think the Japanese government don’t understand what people really need.
(私は、日本政府は、人々が本当に必要なものがわかっていないと考えます)
他にも
・audience (聴衆)
・club (クラブ)
・committee (委員会)
・jury (陪審員)
・public (公衆)
などがあります!
まとめ
この記事のまとめです!
- “staff” は集合名詞であり、「一人の社員」ではなく、「複数の社員のグループ」を表す
- “staff” は、単数扱い/複数扱い可能な「集合名詞」である
- “staff”=「グループ」として表現する場合は、単数扱い
- “staff”=「メンバー一人一人」として表現する場合は、複数表現
- 「スタッフの一人」という時は、”a member of a/the staff” / “a staff member# を用いる
- 単数・複数扱いができる他の集合名詞
・class
・company
・team
・generation
・government
・audience
・club
・committee
・jury
・public などがある。
ややこしい集合名詞“staff”のニュアンスの違い、インプットしていただけたでしょうか?
是非この記事で、集合名詞の表現を理解して、紛らわしい言い方を回避しましょう!
今回の記事では、『日本語になった英語』の、カタカナ英語である“staff”を取り上げましたが、
逆に、『英語になった日本語』もおもしろいです!
詳細はこちら!
【P.R】東大生の英語勉強法が学べる1400円の書籍を無料プレゼント中
読者さんには正しい英語勉強法をぜひ知ってもらいたくて、このサイト運営を始めました。
工夫次第ではたった数週間でもTOEICの点数を100点単位であげることができます。
東大卒英語教師である運営者チェンジャックが
最新英単語学習法をまとめた書籍と一緒に学べるので、
ぜひ英語学習の本質を知るためにも一読してみてください。
※書籍はお持ちのスマホ・PC ですぐに読むことが可能です。
書籍と同時に受け取れるメルマガでは、- 「英語で年収を100万アップさせる方法」
- 「東大も合格できる、どんな試験にも使える勉強法」
- 「3倍充実した海外旅行法」
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事を書いた人
-
TOEIC950点取得。某大手オンライン英会話講師、英検教材作成、翻訳など英語に関わる仕事を経験。
現役高校英語教師を務めながらライターとしても活動中。
この著者の最近の投稿
- TOEIC対策2022年7月7日英語力を一年でTOEIC200点UPさせる4つの極意
- コラム2022年7月7日オンライン英会話のブログ一覧!リアルな声を知ろう
- TOEIC対策2022年6月1日英語四技能をUPさせる方法! 英検、TOEIC、GTECで解説
- TOEIC対策2022年5月23日CEFRって? CEFRから見る英語の検定と大学入試を徹底解説
"勉強法"をトコトン追求し、最短効率で東京大学に現役合格。TOEIC935点取得。 勉強法を発信したYoutubeチャンネルは登録者1.2万人超え。 ジャックの無料公式メルマガは3000人以上が登録。1ヶ月でTOEIC500から800を達成したり、英語が活かせる仕事に転職したり、ネイティブと不便なくペラペラ話せる人が続出中。 ジャックのInstagramではいろんなところに海外旅行してます。